フリーランスのための青色申告応援サイトです。経理初心者の方でも、青色申告が簡単に出来ます!

消費税のインボイス制度への対応

2022年5月24日 掲載/2022年9月12日 更新

消費税のインボイス制度とは?

2023年10月1日から、消費税の インボイス制度(適格請求書等保存方式)が、導入されます。

インボイス制度が導入されると、
・消費税の免税事業者(課税売上高が1,000万円以下)であっても、
・取引先から「適格請求書」を求めらる場合
は、「適格請求書発行事業者」の登録を行い、
課税事業者となって、消費税を納税することになります。
つまり、増税です。

この制度が分かりにくいのは、登録するかどうかは事業者の任意であり、
取引先が個人や免税事業者の場合は「適格請求書」が不要
、となる点です。

先ずは、現在の取引先へ、導入後について確認し、対応が必要になります。

制度の内容について詳しくは、税制改正ニュース/インボイス制度の導入についてをご覧ください。

どう対処したらよいか? Yes・No チャートで確認!

Yes・Noチャートで、該当するケースをクリックして、対応方法や申請内容・注意事項を、確認してください。

Q.消費税の<免税事業者>ですか?
 ↓ Yes
→ No <課税事業者>の場合
ケース5へ
Q.取引先は、<企業>ですか?
 ↓ Yes
→ No 取引先が全て<個人>の場合
ケース4へ
Q.フリーランスの<職種>ですか?
 ↓ Yes
→ No フリーランスでない場合
ケース3へ
Q.経費率は、<50%以下>ですか?
 ↓ Yes
ケース1へ
→ No 経費率が50%以上の場合
ケース2へ

ケース1 免税事業者/フリーランス/経費率が50%未満の場合

  1. 登録申請手続
    取引先が企業で、「適格請求書」が必要な場合は、「適格請求書発行事業者」の登録申請が必要になります。
    • インボイス制度の導入日(2023年10月1日)に登録を受けるには、2023年3月31日までに「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出します。
      ※困難な事情がある場合は、2023年9月30日まで。
    • 適格請求書発行事業者の登録は、消費税の課税事業者に限られるため、免税事業者が登録申請するには、原則として、「消費税課税事業者選択届出書」の提出が必要です。
      ただし、2023年3月31日までに登録申請する場合は、(経過措置として)申請用紙の2ページ目に必要事項を記入することで、届出書の提出が不要になります(国税庁/Q&A 問5より)。
      ※経過措置の適用期間後に、登録申請する場合は、申請・届出書の提出方法や期限に注意してください。
    • 登録名を「屋号」で公表する場合
      登録申請の際、併せて「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書」を提出します。登録内容は、「国税庁 インボイス制度 適格請求書事業者公表サイト」へ、情報公開されます。
  2. 「簡易課税制度」を選択
    経費率が50%未満の場合は、「簡易課税制度 ※」を選択すると、次のメリットがあります。
    税務署へ、登録日から簡易課税制度の適用を受ける旨を記載した、「消費税簡易課税制度選択届出書」を、(経過措置により)2023年12月31日までに提出が必要になります。
    ※小規模事業者(課税売上高が 5,000万円以下)の納税事務負担に配慮して、売上に係る消費税額を基礎として、経費・仕入れに係る消費税額を算出することができる制度。
    • 帳簿の記帳方法
      免税事業者の時と同様に、「本体価格」と「消費税」に分けず、「税込経理方式」で記帳できます。
    • 消費税の納税額
      「仕入控除額」の計算を、「課税売上高×50%(みなし仕入率)」で行うため、消費税の納税額が実際より少なくなります。
      ※「みなし仕入率」は、事業区分により異なります。サービス業のフリーランス職種は、50%になります。
    • デメリットは?
      デメリットは、2年適用となること。変更するには、届出が必要になります。
  3. 「適格請求書」の発行
    • インボイスは、請求書に限らず、納品書や領収書なども含まれます。インボイス制度の導入後は、従来の請求書(区分記載請求書)や納品書、領収書へ、「登録番号(T+13桁の数字)」を記載します。「適格請求書」のフォーマットは、特に定められていません。
    • 発行した「適格請求書」は、写しの保存(7年間)が、義務付けられています。
  4. 消費税の確定申告
    適格請求書発行事業者になった場合、登録日以降の取引について、消費税の確定申告(申告期限 3月31日)が必要になります。
消費税の確定申告書 作成支援ツール
申告作業にあると便利な「課税取引金額計算書課税売上高計算書」を、消費税の確定申告支援ツールとして、制作を予定しています。
※支援ツールは、本ソフトの付帯機能として無料になります。

ケース2 免税事業者/フリーランス/経費率が50%以上の場合

  1. 登録申請手続
    取引先が企業で、「適格請求書」が必要な場合は、「適格請求書発行事業者」の登録申請が必要になります。
    申請手続きについては、<ケース1の1>を参照してください。
  2. 消費税の会計処理
    免税事業者から、課税事業者になることで、消費税の会計処理が変わります。
    免税事業者の時は、「税込経理方式」のため、消費税を意識せずに記帳できました。課税事業者になると、次のような点が異なってきます。
    • 記帳方法は、「税込経理方式」と「税抜経理方式」から選択(任意)できます。
    • 「預かった消費税(売上)」と「支払った消費税(仕入・経費)」を正確に把握するために、「税抜経理方式」を選択した場合は、仕訳入力の際に、「本体の価格」と「消費税」を分ける手間が生じます。
    • 仕訳入力の際、消費税の課税取引かどうか(非課税免税不課税)の判断が必要になります。
    • 経費率が50%以上の場合
      消費税の計算は、「預かった消費税(売上)-支払った消費税(仕入・経費)」で行います。
  3. 消費税の確定申告
    適格請求書発行事業者になった場合、登録日以降の取引について、消費税の確定申告(申告期限 3月31日)が必要になります。
「税抜経理方式」を選択される場合
記帳の際、取引金額を、「本体価格」と「消費税」に分けて入力が必要になります。
入力数が2倍になり、記帳の負担が増えますので、消費税の自動入力などに対応した会計ソフトのご使用を、ご検討ください。

ケース3 免税事業者/フリーランスでない場合

  1. 登録申請手続
    取引先が企業で、「適格請求書」が必要な場合は、「適格請求書発行事業者」の登録申請が必要になります。
    申請手続きについては、<ケース1の1>を参照してください。
  2. 消費税の計算方法を選択
    フリーランスでない場合は、消費税の計算方法について、一般課税(原則)と簡易課税のどちらが有利になるか、判断が必要になります。
    • 過去の決算データから、「経費の合計金額÷売上高」にて、経費率を計算します。
    • 簡易課税制度の事業区分表」から、該当する「みなし仕入率」を把握します。
    • 「経費率 < みなし仕入率」 の場合
      「簡易課税制度」を選択して、「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出すると、次のメリットがあります。
      • 帳簿は、本体価格と消費税に分けず、「税込経理方式」で記帳できます。
      • 消費税の「仕入控除額」の計算を、「課税売上高×みなし仕入率」で行うため、消費税の納税額が実際より少なくなります。
        ※デメリットは、2年適用となること。変更するには、届出が必要になります。
  3. 消費税の会計処理
    免税事業者から、課税事業者になることで、消費税の会計処理が変わります。
    免税事業者の時は、「税込経理方式」のため、消費税を気にせずに記帳できました。課税事業者になると、次のような点が異なってきます。
    • 記帳方法は、「税込経理方式」と「税抜経理方式」から選択(任意)できます。
    • 「預かった消費税(売上)」と「支払った消費税(仕入・経費)」を正確に把握するために、「税抜経理方式」を選択した場合は、仕訳入力の際に、「本体の価格」と「消費税」を分ける手間が生じます。
    • 仕訳入力の際、消費税の課税取引かどうか(非課税免税不課税)の判断が必要になります。
    • 経費率が50%以上の場合、消費税の計算は、「預かった消費税(売上)-支払った消費税(仕入・経費)」で行います。
  4. 消費税の確定申告
    適格請求書発行事業者になった場合、登録日以降の取引について、消費税の確定申告(申告期限 3月31日)が必要になります。
「税抜経理方式」を選択される場合
記帳の際、取引金額を、「本体価格」と「消費税」に分けて入力が必要になります。
入力数が2倍になり、記帳の負担が増えますので、消費税の自動入力などに対応した会計ソフトのご使用を、ご検討ください。

ケース4 免税事業者/取引先が全て<個人>の場合

取引先が、個人(一般消費者の意)の場合、「適格請求書」を必要としないため、インボイス制度の対象外になります。

ケース5 課税事業者の場合

取引先が企業の場合は、2023年3月31日までに、「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出します。

登録申請には、次の2つの方法があります。

いつから、消費税の課税事業者になる?

通常、消費税の課税事業者になる場合は、前年末までに税務署へ、「消費税課税事業者選択届出書」を提出し、該当年の1月1日から課税事業者になります。

インボイス制度の導入が、年の途中(2023年10月1日)からになること、「適格請求書発行事業者」の登録と同時に課税事業者になることにより、次のような経過措置が設けられています。

経過措置

2023年12月末(※)までに「適格請求書発行事業者」の登録を行った場合、登録を受けた日から消費税の課税事業者になります。
令和4年度の消費税法改正により、令和11年(2029年)の年度末まで、経過措置の適用期間が延長されました。

つまり、経過措置期間は、「適格請求書発行事業者」の申請を行い、登録を受けた日以降の取引について、消費税の課税事業者になり、消費税の確定申告の対象になります。

また、経過措置の適用を受けて適格請求書発行事業者(課税事業者)となった場合、登録を受けた日から2年後の12月末までは、免税事業者に戻ることはできませんので、ご注意ください。

インボイス導入後の本ソフトのご使用について

本ソフトは、フリーランスの経理に特化し、経理初心者の方をサポートすることを目的に開発されたため、「税込経理方式」での入力を前提にしています。

消費税の課税事業者になった場合、「簡易課税制度」を選択して、「税込経理方式」での入力を継続される場合は、従来の入力方法と変わりなくご使用いただけます。

簡易課税制度は、消費税の納税額を、「課税売上金額-(課税売上金額 × みなし仕入率)」で計算します。サービス業(フリーランス職種)の「みなし仕入率」は50% のため、経費率が、50%未満の場合は、納税額が(実際よりも)少なくなる、というメリットがあります。

逆に、経費率が、50%を超える場合は、一般課税(原則)が最善になります。一般課税は、消費税の納税額を、「預かった消費税(売上)-支払った消費税(経費・仕入)」で計算します。

簡易課税/税込経理方式を選択される場合

消費税の確定申告は、決算データの「売上金額」を元に行います。国税庁の「確定申告等作成コーナー」へ、「売上金額」と計算に必要な事項(事業区分、課税区分など)を選択すると、納税額が自動計算されます。

申告作業にあると便利な「課税取引金額計算書課税売上高計算書」を、申告支援ツールとして、制作を予定しています。
※支援ツールは、本ソフトの付帯機能として無料になります。

「税抜経理方式」を選択される場合

「税抜経理方式」で入力し、消費税の計算を一般課税で行う場合は、取引金額を、「本体価格」と「消費税」に分けて入力が必要になります。

記帳作業の負担が増えますので、消費税の自動入力に対応した、会計ソフトのご使用をご検討ください。

また、電子帳簿等保存法の改正もあり、本ソフトを入門用として、事業内容や取引内容に合った会計ソフトのご使用をご検討いただけますと幸いです。

インボイス制度に関するご質問・ご相談

インボイス制度に関するご質問やご相談は、軽減・インボイスコールセンター(国税庁)へお願いいたします。

  • フリーダイヤル: 0120-205-553
  • 受付時間: 9:00~17:00 ※土日祝除く

国税局・税務署では、インボイス制度の説明会を開催しています。
また、個別相談を実施しています。管轄の税務署へ、相談日時の予約が必要になります。


【関連情報/国税庁】
インボイスインボイス制度特設サイト
インボイスインボイスに関するお問い合わせの多いご質問
適格請求書適格請求書等保存方式の概要
消費税の確定申告消費税及び地方消費税の確定申告の手引き・様式等

フリーランスの立場を保護する、下請法を知っておこう!

フリーランスは、企業の外注先や業務委託先として、下請けになるため、立場が弱くなりがちです。下請法(下請代金支払遅延等防止法)は、取引関係において優位に立つ企業(親事業者)を規制し、下請事業者の利益を保護することを目的としています。

インボイス制度の導入にあたっては、取引先との交渉が必要になる場面が出てくると思います。フリーランスの立場を守る法律があり、その中で、親事業者の義務親事業者の禁止行為が定められていること、下請法はインボイスも規制対象となっていることを知った上で、交渉していただけたらと思います。

親事業者の義務

  • 取引条件を記した書面の交付義務
  • 取引内容や支払を記載した書類の作成・保存義務
  • 下請代金の支払期日を定める義務(役務提供から60日以内)
  • 下請け代金の支払いが遅れた場合、遅延利息の支払義務

親事業者の禁止行為

  • 注文した物品などの受領を拒否すること
  • 下請代金の支払の遅延
  • 受け取った物や成果物を返品すること
  • 市場価格に比べて著しく低い代金を不当に定める(買いたたき)
  • 親事業者が指定する物や役務を強制的に購入・利用させること
  • 親事業者の不公正な行為を公正取引委員会または中小企業庁に知らせたことによる報復措置
  • 有償支給原材料などの対価の(下請代金の支払前に)早期決済
  • 割引困難な手形の交付
  • 下請事業者への不当な金銭、労務提供などの要請
  • 不当な注文内容の変更や受領後のやり直し

相談・申告等窓口

下請法に関する相談窓口が、公正取引委員会の各管轄エリアごとに設けられています。詳しくは、相談窓口一覧をご覧ください。


【関連情報/公正取引委員会】
下請法下請法について
下請法知って得する下請法(下請事業者向け)
下請法インボイス制度後の免税事業者との取引に係る下請法等の考え方(中小企業庁)