令和8年度 所得税の主な税制改正
2026年8月17日 掲載
令和8年度の「所得税」の税制改正から、確定申告に関連する項目をピックアップしてお知らせいたします。
- 令和8年度 所得税の主な税制改正
- 青色申告特別控除の改正(⇒ 令和9年分から適用)
- 所得控除に関する改正(減税)
- 税額控除に関する改正
- 減価償却に関する改正
- 所得税率の改正(増税)
- その他の改正
青色申告特別控除の改正(⇒ 令和9年分から適用)
「青色申告特別控除」の控除額と要件の見直しが行われました。今回の見直しは、国税庁が取り組む税務行政のDX(デジタル・トランスフォーメーション)の施策/電子帳簿保存法と事業者のデジタル化促進を推し進めるためのものになります。
改正内容に対応していくために、関連情報(以下)ご覧の上、国税庁が目指しているデジタル化の内容を、理解しておく必要があります。
青色申告特別控除額/要件の変更
改正内容は、次の通りです。適用は、令和9年分の申告(2028年の確定申告)からになります。
【改 正】
- <優良な電子帳簿>または<デジタルシームレス保存(新設)> + <e-Tax で申告> ⇒ 最高75万円へ引き上げ
※ 「デジタルシームレス保存」とは、「国税庁が定める基準(JIIMA認証)により、電子取引データ(預金取引・デジタルインボイス等)を、帳簿に自動取り込み・連携(API連携)させる会計システム」を指します。
認証ソフトは、デジタルシームレスソフト認証リストを参照ください。 - 55万円控除を廃止、<紙で提出>の場合 ⇒ 10万円へ引き下げ
【適 用】 令和9年分から適用
【届 出】 適用を受ける場合は、令和9年分の申告期限までに所定の届出書の提出が必要です。<優良な電子帳簿>の場合はコチラ(※)、<デジタルシームレス保存>の場合はコチラを参照(国税庁)してください。
※令和9年3⽉頃に届出書の名称が、「65 万」から「75 万」に変更される予定です。
【関連情報】
税務行政のデジタル・トランスフォーメーション(国税庁)
事業者のデジタル化促進(国税庁)
電子帳簿等保存制度を活用して、デジタル化をさらに進めてみませんか?(国税庁)
電子帳簿等保存制度 特設サイト(国税庁)
所得控除に関する改正(減税)
基礎控除/控除額の引き上げ(物価上昇への対応)
物価上昇への対応として、<2年毎に物価上昇に連動して基礎控除等を引き上げる>こととなり、合計所得金額が2,350万円以下の個人を対象に、令和8・9年分の基礎控除額が4万円引き上げられます。
【改 正】 令和6・7年の上昇率により、令和8・9年分の控除額を4万円引き上げ
- 控除額: 最高58万円 → 最高62万円へ引き上げ
【適 用】 令和8・9年分へ適用

※「令和8年度 税制改正/個人所得課税」(財務省)より引用。
【関連情報】
令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について(国税庁)
令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&A(国税庁)
基礎控除/上乗せ特例
令和7年度税制改正で、令和7・8年の特例措置とされた基礎控除の上乗せ特例について、合計所得金額489万円 (給与収入665万円相当)以下の場合の上乗せ額が、42万円まで引き上げられます。
【改 正】 合計所得金額489万円以下の場合
上乗せ額37万円 → 42万円へ引き上げ
【適 用】 令和8・9年分へ適用

※「令和8年度 税制改正/個人所得課税」(財務省)より引用。
ひとり親控除/控除額の引き上げ
所得税及び個人住民税の控除額が、令和9年分から引き上げられます。
【改 正】控除額35万円 → 38万円へ引き上げ
※個人住民税の控除額は、33万円(改正前:30万円)へ引き上げられます。
【要 件】「ひとり親」の要件
- 次のいずれかに該当すること
・現に婚姻をしていない者 ・配偶者の生死の明らかでない者 - 生計を一にする子(※)を有すること
※総所得金額等が62万円以下で、他者の扶養親族又は同一生計配偶者とされていないこと。 - 合計所得金額500万円以下
- 事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる者(※)がいないこと
※住民票の続柄の「夫(未届)」「妻(未届)」の記載で判別。
【適 用】 令和9年分から適用
基礎控除の引き上げによる、他の所得控除の改正
【改 正】 基礎控除の改正に従い、他の控除の所得要件を引き上げ
- 配偶者控除: 同一生計配偶者の合計所得金額要件を62万円以下に引き上げ(改正前 58万円以下)。
- 扶養控除: 扶養親族の合計所得金額要件を62万円以下に引き上げ(改正前 58万円以下)。
- ひとり親控除: ひとり親と生計を一にする子の総所得金額等の要件を62万円以下に引き上げ(改正前 58万円以下)。
- 雑損控除: 資産を有する親族に係る総所得金額等の要件を62万円以下に引き上げ(改正前 58万円以下)。
- 勤労学生控除: 勤労学生の合計所得金額要件を89万円以下に引き上げ(改正前:(改正前 85万円以下)。
【適 用】 令和8・9年分へ適用
税額控除に関する改正
住宅ローン控除の拡充
既存住宅のうち省エネ性能の高い認定住宅・ZEH水準省エネ住宅に対する支援が拡充され、借入限度額を引き上げ、子育て世帯へは限度額をさらに上乗せし、適用期限が延長されます。
【対 象】 省エネ性能の高い既存住宅
【改 正】 借入限度額の上乗せ、要件の緩和、適用期限を5年延長
【適 用】 入居日/令和8年1月1日~令和12年12月31日まで

※「令和8年度 税制改正/個人所得課税」(財務省)より引用。
【関連情報】
NISAの拡充
大学進学や成人後のライフイベントに必要な資金を備えられるよう、つみたて投資枠の対象年齢が0~17歳に拡大されました。
12歳以降、子の同意を得た場合、親権者による払い出しが可能となります。
【対 象】 0~17歳の未成年
【改 正】 「つみたて投資枠」の対象年齢を、18歳未満へ拡大
【開始時期】 令和9年1月以降

※「令和8年度 税制改正/個人所得課税」(財務省)より引用。
【関連情報/国税庁】
No.1535 NISA制度
NISAに関する情報
減価償却に関する改正
少額減価償却資産の特例措置の改正
企業の生産性向上・設備投資の促進として、少額減価償却資産の取得価額(購入費用)を、全額取得した年の必要経費へ算入できる特例措置(措法28の2)が見直され、30万円未満から40万円未満へ引き上げられ、適用期限が3年延長されました。
尚、年間合計300万円までは、従来通りになります。
適用は、令和8年4月1日以降に取得した資産が対象になります。1月~3月末までに取得した場合は、30万円未満が適用となります。
【改 正】 30万円未満 → 40万円未満へ引き上げ ※年間合計300万円まで
適用期限、令和11年3月31日まで3年延長
【適 用】 令和8年4月1日以後に取得した減価償却資産より適用
所得税率の改正(増税)
防衛特別所得税の創設(増税)
防衛特別所得税が創設されました。
【改 正】 税率/基準所得税額× 1 %
※基準所得税額 = (課税所得金額 × 税率 -所得控除額) -税額控除
【適 用】 令和9年分より
復興特別所得税の改正
復興特別所得税とは、東日本大震災からの復興財源を確保するために、平成25年(2013年)から令和19年(2037年)までの25年間、通常の所得税額に上乗せして課されている税金です。
税率が引き下げられた上で、10年延長されました。
【改 正】 課税期間/令和19年から令和29年へ、10年延長
税率/2.1%から1.1%へ引き下げ
【適 用】 令和9年分より
その他の改正
消費税のインボイス制度
2割特例から3割特例へ
免税事業者からインボイス発行事業者になった際の負担軽減措置(2割特例)が、令和8年9月末で終了します。
2割特例の終了後、税負担の増加への緩和措置として、新たに3割特例(売上税額の30%を納税)が、2年間限定(令和8年10月~令和10年9月)で講じられます。
【改 正】 2割特例終了後、2年間、売上税額の3割とする
【要 件】 基準期間(適用を受ける年の2年前※)の課税売上高が1,000万円以下であること
※令和9年分なら令和7年分。
【適 用】 令和9年分、令和10年分 ※時限措置。

※「令和8年度 税制改正/消費課税」(財務省)より引用。
簡易課税制度への移行措置
簡易課税制度の適用を受けるには、原則として、適用を受ける課税期間の前年の末までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出する必要があります。
2割特例・3割特例の適用を受けた翌課税期間に簡易課税制度の適用を受ける場合は、適用を受ける課税期間の申告期限までに届出書を提出することで、その課税期間から簡易課税制度の適用を受けることができます。

※「令和8年度税制改正特集」(国税庁)より引用。
【関連情報/国税庁】
動画/6分弱でわかる 2割特例・3割特例&簡易課税への移行
