未払金、クレジットカード払いについて
前年度の繰越しで、12月の電話代が「未払金」になっています。1月に「普通預金」から引落とされた場合の仕訳はどうやって入力したらいいですか。
前年度に以下のように記帳して、「未払金」を翌年へ引き継いだ場合は、次のような手順で処理します。
取引内容 | 借方 | 貸方 |
12月分電話料金の未払い | 電話料金 | 未払金 |
- 「期首残高の入力」の「未払金(※)」へ金額を入力。
※「貸借対照表」の期末残高を入力。 - 【仕訳例】「未払金」を支払った時
以下の仕訳を入力すると、「期首残高」と相殺されて「未払金」の残高が「0」になります。
取引内容 | 借方 | 貸方 |
12月分電話料金引落とし | 未払金 | 普通預金 |
借方の科目名を「電話料金」とすると、今期の経費に含まれてしまいます。ご注意ください。
税務署発行の「青色申告の決算の手引き」で、「※少額な経費については、未払いの整理をしないで、実際に支払った金額だけを必要経費にしても差し支えありません。」となっているため、「電話料金」などの家事関連費は、「未払金」へ計上しなくても大丈夫です。
クレジットカードの支払いを事業用の口座から行っています。個人の買い物をした場合、どのように入力したらいいですか。
事業の経費と個人の買い物が合算されて、事業用の口座から引き落とされた場合は、クレジットカードの支払明細書の内訳に従って、勘定科目毎に分けて入力します。
個人の買い物は経費にならないので、「事業主貸」で入力し、購入時に「未払金」で入力する必要はありません。仕訳内容は、口座から生活費を引き出した仕訳と同じになります。
経費 7万円、個人の買い物 3万円で、合計10万円が事業用の口座から引き落とされた場合、仕訳は次のようになります。
個人の買い物は経費にならないので、「事業主貸」で入力し、購入時に「未払金」で入力する必要はありません。仕訳内容は、口座から生活費を引き出した仕訳と同じになります。
経費 7万円、個人の買い物 3万円で、合計10万円が事業用の口座から引き落とされた場合、仕訳は次のようになります。
- 【仕訳例】 購入時
取引内容 借方 貸方 ○○費 クレジットカードで支払い ○○費 70,000 未払金 70,000 - 【仕訳例】 支払時 ※事業の口座から引き落し。
取引内容 借方 貸方 〇〇費 クレジットカード払いの引き落し 未払金 70,000 普通預金 70,000 生活費 事業主貸 30,000 普通預金 30,000
経費をクレジットカートで支払い、リボ払いにしました。仕訳はどうしたらいいですか?
クレジットカードの支払いが、事業用の口座か個人口座からで、仕訳内容が異なります。
引き落しが、個人の口座からの場合は、購入日に、リボ払いの利子分を含めた金額を「○○費/事業主借」で入力すれば記帳は完了します。
※利子分を「利子割引料」て管理する場合は、(利子の金額を)「利子割引料/事業主借」 で入力します。
事業の口座から支払う場合は、次のようになります。一括払いと違う点は利子の仕訳になります。支払いが全て完了されると、該当費用の「未払金」残高がゼロになります。
- 【仕訳例】 購入時
取引内容 借方 貸方 ○○費(クレジットカードで支払い) ○○費 未払金 - 【仕訳例】 支払時 ※事業の口座から引き落し。
口座から引き落とされた金額を、「未払金」の支払いとリボ払いの利子に分けて仕訳します。取引内容 借方 貸方 ○○費(クレジットカード払い・引き落し) 未払金 普通預金 リボ払いの利子 利子割引料 普通預金
複数の費用をリボ払いされると、引落とされた金額から利子分を切り分けて記帳することは手間がかかってきます。そこで、購入時の仕訳の際に、金利分を含めた金額で入力しておくと支払時の仕訳は、「未払金/普通預金」だけですみます。
消費税の課税事業者の方へ
クレジットカード払いの利子は、消費税が非課税になります。以上は、消費税の免税事業者/税込経理方式を採用の場合に限られます。消費税の課税事業者になっている場合はご注意ください。
クレジットカード払いの利子は、消費税が非課税になります。以上は、消費税の免税事業者/税込経理方式を採用の場合に限られます。消費税の課税事業者になっている場合はご注意ください。
事業の経費をクレジットカードで支払い、引き落としが個人口座の場合、「未払金」で記帳する必要はありますか。
「未払金」で管理が必要なのは、事業用の口座から支払っている場合になります。
引き落しが個人の口座の場合は、「経費を個人のお金で支払った」という取引内容になりますので、仕訳は、クレジットカードで支払った日に、「○○費/事業主借」で記帳となります。
クレジットカードの利用明細書が有料化になりました。引き落された時の仕訳はどうなりますか。
「ご利用明細書発行手数料」 は、「雑費」になります。仕訳例は、次のようになります。クレジットカードの引き落としの口座が、事業用の口座かどうかで、仕訳内容が異なりますので、注意してください。
- 【仕訳例】 事業用の口座から引き落としの場合
仕訳は、「振込手数料・引出手数料(普通預金)」の仕訳と同じ内容になります。
取引内容(摘要)を変更して、入力してください。取引内容 借方 貸方 利用明細書発行手数料 雑費 普通預金 - 【仕訳例】 個人の口座から引き落としの場合
仕訳は、「コピー代(立替払い)」と同じ内容になります。
取引内容(摘要)を変更して、入力してください。取引内容 借方 貸方 利用明細書発行手数料 雑費 事業主借
経費をクレジットカードで支払い、後日キャンセルした場合、仕訳はどうしたらいいですか。
仕訳は、次のようになります。クレジットカードの引き落とし口座が、事業用の口座かどうかで、仕訳内容が異なりますので、注意してください。
- 【仕訳例】 事業用の口座から引き落としの場合
キャンセルの仕訳は、購入時と反対の仕訳(借方と貸方の科目が反対)になります。取引内容 借方 貸方 〇〇をクレジットカードで購入 〇〇費 未払金 購入をキャンセル 未払金 〇〇費 - 【仕訳例】 個人の口座から引き落としの場合
個人の口座は、帳簿で管理していないため、「未払金」で計上する必要はありません。
事業主勘定は、借方と貸方で、科目名が異なりますので、注意してください。
取引内容 借方 貸方 〇〇を購入(立替払い) 〇〇費 事業主借 購入をキャンセル 事業主貸 〇〇費
キャンセルが間に合わずに、購入代金が引き落とされ、次の支払いと相殺された場合は、次のようになります。
- 【仕訳例】 事業用の口座から引き落としの場合
次の支払いとの相殺は、引き落し金額(購入額)を、2つの仕訳に分けて入力します。
仕訳①: 引き落し額 - キャンセル金額
仕訳②: キャンセル金額
※初期登録の勘定科目の中から、便宜上「前払金」を使用しています。 仕訳は、初期登録されていませんので、 コチラを参照して入力してください。
取引内容 借方 貸方 〇〇をクレジットカードで購入 〇〇費 未払金 購入をキャンセル 未払金 〇〇費 購入分を引き落し 前払金※ 普通預金 仕訳① 相殺分の引き落し 未払金 普通預金 仕訳② キャンセル分 未払金 前払金
車を、頭金を現金、残金をローンで支払う場合、仕訳はどうなりますか。
支払いが、<個人の現金・預金>からか、<事業の現金・預金>からで仕訳が異なりますので、注意してください。
- 【仕訳例】 <個人の現金・預金>から支払う場合
個人のお金で頭金を支払い、ローンの支払いが(帳簿で管理していない)個人の口座からの場合は、購入金額を「事業主借」で記帳します。
車が家事関連費の場合、「利子割引料」は「支払利子 × 事業使用割合」の金額になります。
取引内容 借方 貸方 車を購入 車両運搬具 事業主借 利子の支払い 利子割引料 事業主借 - 【仕訳例】 <事業の現金・預金>から支払う場合
事業の現金で頭金を支払い、ローンの支払いが事業の口座(普通預金)からの場合は、次のようになります。
※頭金が、<個人の現金・預金>からの場合は、(現金 ⇒)「事業主借」になります。
ローンの返済については、支払い金額を「元金」と「利子」に分けて入力します。
※車が家事関連費の場合、決算時に、「決算仕訳入力」から家事分を差し引く仕訳の入力が必要になります。
取引内容 借方 貸方 車を購入(頭金) 車両運搬具 現金 車を購入(ローン) 車両運搬具 未払金 ローンの元金の支払い 未払金 普通預金 ローンの利子の支払い 利子割引料 普通預金