家事関連費について
「家事関連費」を、個人口座から引き落しで支払っています。この場合、どのような仕訳で入力したらいいですか。
口座から引き落とされた日付で、「支払金額 × 事業使用割合(按分率)」の金額を「事業主借」で入力します。
事業使用分の金額のみ入力していくため、決算処理(支払い金額から家事使用分を差し引く処理)は必要ありません。
取引内容 | 借方 | 貸方 |
電気代○月分(※事業使用分) | 電気料金 | 事業主借 |
家族の口座から「家事関連費」を支払っています。この場合、必要経費にできますか。また、できる場合、仕訳はどうなりますか。
事業使用分を必要経費にできます。仕訳は、「事業主借」になります。 領収書など支払った金額が分かる証書の保存が必要です。
取引内容 | 借方 | 貸方 |
○○費○月分(※事業使用分) | ○○費 | 事業主借 |
同居の家族・親族へ支払う家賃は、経費にできません。
事務所にしている自宅のローンの利子は、どのような仕訳になりますか。
住宅ローンの利子は、按分率(事業割合)に従って経費(利子割引料)にできます。仕訳は、返済を行っている口座によって違ってきます。
個人の口座から返済している場合は、<利子の支払金額 × 事業割合>の金額を、経費へ計上します。
【仕訳例】 個人の口座から支払っている場合
事業の口座から返済している場合は、支払金額を元金と利子に分けて入力します。利子については、決算処理にて家事使用分を差し引く仕訳の入力が必要になります。
※「初期設定/期首残高の入力」の「借入金」へ、前年末のローンの残高(元金)が入力されていることが必要になります。
【仕訳例】 事業の口座から支払っている場合
個人の口座から返済している場合は、<利子の支払金額 × 事業割合>の金額を、経費へ計上します。
【仕訳例】 個人の口座から支払っている場合
取引内容 | 借方 | 貸方 |
住宅ローンの利子の支払い | 利子割引料 | 事業主借 |
※「初期設定/期首残高の入力」の「借入金」へ、前年末のローンの残高(元金)が入力されていることが必要になります。
【仕訳例】 事業の口座から支払っている場合
取引内容 | 借方 | 貸方 |
住宅ローンの返済(元金) | 借入金 | 普通預金 |
住宅ローンの利子の支払い | 利子割引料 | 普通預金 |
ローンの利子割引料(家事使用分) | 事業主貸 | 利子割引料 |
住宅ローン控除の申請をされている方へ
「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」の「総面積における居住用部分の面積」へ「100%」と記入した場合は、事業用はゼロになるため、事業の経費にすることができません。ご注意ください。
「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」の「総面積における居住用部分の面積」へ「100%」と記入した場合は、事業用はゼロになるため、事業の経費にすることができません。ご注意ください。
自宅を事務所にしています。5年契約の損害保険に加入したのですが、どのように入力したらいいですか。支払いは、個人のお金から行っています。
長期の保険に加入された場合、必要経費にできるのは、支払った年分の期間に相当する金額になります。家事関連費の場合は、さらに事業割合(按分率)に応じた金額までになります。
その年の損害保険料=保険料×(その年の月数/保険期間の月数)×事業使用割合(%)
仕訳帳への入力は、個人のお金からの支払いのため、支払った時に、<支払額×事業使用割合(%)>の金額を「損害保険料」へ計上します。決算処理にて、翌年以降の分を「前払金」へ振り替えを行います。
【仕訳例】 自宅の損害保険を個人のお金で支払った場合
翌年の決算時に、その年の経費になる金額を「前払金」から「損害保険料」へ振り替えていきます。翌年以降も同様です。
【翌年以降/仕訳例】 決算仕訳で、「前払金」を「損額保険料」へ振り替える
その年の損害保険料=保険料×(その年の月数/保険期間の月数)×事業使用割合(%)
仕訳帳への入力は、個人のお金からの支払いのため、支払った時に、<支払額×事業使用割合(%)>の金額を「損害保険料」へ計上します。決算処理にて、翌年以降の分を「前払金」へ振り替えを行います。
【仕訳例】 自宅の損害保険を個人のお金で支払った場合
取引内容 | 借方 | 貸方 |
損害保険料(5年契約)の支払い | 損額保険料 | 事業主借 |
損害保険料を前払金へ振り替え | 前払金 | 損害保険料 |
【翌年以降/仕訳例】 決算仕訳で、「前払金」を「損額保険料」へ振り替える
取引内容 | 借方 | 貸方 |
○年分損額保険料(事業使用分) | 損額保険料 | 前払金 |
以上の計算方法は、満期返戻金のない損害保険の場合になります。仕訳は初期登録されていませんので、各取引区分へ追加してください。
自宅事務所です。JAの建物更生共済に加入しました。共済掛金は、どう仕訳したらいいですか。
JAの建物更生共済の場合、支払った掛金は、支払額の内訳(以下)によって仕訳を分けて行うため、共済掛金領収証(共済掛金払込証明)が必要になります。
領収書に記載の「必要経費・損金対象額」を、「損害保険料」として経費(※)へ計上します。
※自宅事務所の場合、事業使用分が経費になります。事業の現金・預金から支払った場合は、決算時に、家事分を差し引く仕訳の入力が必要になります。
残りの金額が、積立金になります。
積立金は、満期保険金や解約返戻金が入金(※)された際に、一時所得となる(事業所得の収入にならない)ため、次の2通りの仕訳が考えられます。
- 必要経費・損金対象額 ⇒ 経費
- 積立金額
領収書に記載の「必要経費・損金対象額」を、「損害保険料」として経費(※)へ計上します。
※自宅事務所の場合、事業使用分が経費になります。事業の現金・預金から支払った場合は、決算時に、家事分を差し引く仕訳の入力が必要になります。
残りの金額が、積立金になります。
積立金は、満期保険金や解約返戻金が入金(※)された際に、一時所得となる(事業所得の収入にならない)ため、次の2通りの仕訳が考えられます。
- 「事業主貸」とする
- 積立額を把握したい場合 ⇒ 資産の科目「保険積立金」で入力する
※入力する場合は、「勘定科目の設定」にて、<資産の科目>へ追加が必要になります。