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平成22年度 所得税の税制改正

今年のトピックは、「子ども手当」の支給開始です。しかし、「所得控除から手当へ」ということで、「扶養控除(年少)」が廃止されます。今回は見送られましたが、「扶養控除(※全体)」や「配偶者控除」も将来的には、廃止・縮小の方向で検討されています。今後の動きが注目されます。

扶養控除(年少)が廃止され、「子ども手当」へ!

「子ども手当」が創設されました。平成22年度は、月額1万3千円が支給されます。しかし、それに伴って「所得控除」から、15歳以下の子供を対象にした「扶養控除(38万円)」が廃止されます。加えて、高校の実質無償化により、16~18歳までの子供に対する「扶養控除」の上乗せ分(特定扶養控除25万円)も廃止されます。
※「扶養控除(年少)」の廃止は、平成23年分から実施されます。

「個人住民税」も、「所得税」と同様に、15歳以下の子供に対する「扶養控除(33万円)」と16~18歳までの特定扶養親族に対する「扶養控除」の上乗せ分(12万円)が廃止されます。
※住民税における「扶養控除(年少)」の廃止は、平成24年度分から適用されます。

30万円未満の減価償却資産の全額経費算入(特例)、2年延長

中小企業者の設備投資への減税措置として平成15年に創設された特例措置の適用期限が、平成24年3月まで2年延長されました。 30万円未満の減価償却資産を購入した場合、合計300万円まで、全額をその年の経費に算入(即時償却)することができます。

脱税の罰則、大幅に強化!

所得隠しや脱税に対する罰則が、大幅に強化されました。29年ぶりの大改正だそうです。インターネットの普及によって、FX取引やネットビジネスで高額の収益を得ながら、所得隠しや無申告の人が増えているためです。

悪質な脱税(不正手段によって税を免れる行為)には、懲役刑の上限が5年(源泉所得税は3年)から10年へ、罰金の上限(定額部分)は、500万円から1,000万円へ、それぞれ引き上げられました。

申告書を意図的に提出しなかった場合(秩序犯)は、改正後、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が課せられます。

源泉所得税の不納付については、罰金の上限(定額部分)が100万から200万円に、源泉所得税の脱税については、50万円から100万円に引き上げられました。これらの改正については、平成22年6月1日以後の違反行為について適用されます。

全額所得控除される! 「小規模企業共済制度」の拡充

小規模企業共済制度」は、掛金を積み立てて廃業や引退に備える制度で、小規模企業者のための「退職金制度」と呼ばれているものです。納めた掛金の全額が所得控除の対象になるため、節税しながら制度の恩恵を受けることができます。

これまで加入対象は「小規模企業の経営者または個人事業主」に限られていましたが、小規模企業共済法の改正で、事業主の配偶者や後継者などの「共同経営者」まで拡大されました。

※事業主の親族でなくても、「共同経営者」であれば加入できます。
※受取る共済金は、退職所得控除の対象になります。

・問い合わせ先
独立行政法人 中小企業基盤整備機構
コールセンター TEL 050-5541-7171

掛金を経費に出来る「中小企業倒産防止共済制度」
中小企業者が安心して仕事ができるためのセーフティネット機能として「中小企業倒産防止共済制度」があります。取引先が倒産した場合に、積み立てた掛金の総額の10倍を限度に、無利子・無担保・無保証人で貸付け、中小企業(個人事業を含む)の連鎖倒産を防止する制度です。

中小企業倒産防止共済法の改正で、(法的整理、銀行取引停止処分に加えて)私的整理の場合でも共済金の貸付けが可能になりました。また、貸付限度額が8,000万円(現行3,200万円)へ引き上げられるとともに、経費にできる掛金の限度額が20万円(現行8万円)へ引き上げられます。

・問い合わせ先
独立行政法人 中小企業基盤整備機構
コールセンター TEL 050-5541-7171

「生命保険料控除」の限度額が12万円にアップ

控除対象となる各保険料の合計限度額が、現行の10万円から12万円に引き上げられました。
※適用は、平成24年分の所得税からです。

【旧契約: 平成23年12月31日以前に締結した保険契約】
一般生命保険料控除 5万円(限度額)
個人年金保険料控除 5万円(限度額) 合計限度額 10万円

【新契約: 平成24年1月1以降に締結した保険契約】
介護医療保険料控除 4万円(限度額)
一般生命保険料控除 4万円(限度額)
個人年金保険料控除 4万円(限度額) 合計限度額 12万円

「寄附金控除」の対象は2千円からに

寄附金控除の適用の下限額が、5千円から2千円に引き下げられました。

※平成26年12月31日までに寄附した「政党等寄付金特別控除」についても、同様に下限額が5千円から2千円に引き下げられました。

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