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令和6年度 所得税の主な税制改正

2024年6月5日 掲載

令和6年度の「所得税」の税制改正から、確定申告に関連する項目をピックアップしてお知らせしています。

また、今年1月から義務付けられた、電子帳簿保存法/電子取引の運用ルールが一部緩和されました。

所得税・個人住民税の定額減税

物価高騰への経済対策の一時的な措置として、所得税住民税が、減税されます。

尚、減税は、経済対策新たな経済に向けた給付金・定額減税一体措置」の一部で、課税所得がある場合は定額減税、課税所得がない場合は給付金が支給されます。

どの措置の対象となるかについては、内閣官房のサイトに掲載の「受けられる措置(給付金等)を確認するフローチャート」をご覧ください。

定額減税の概要

定額減税の概要は、次のとおりです。

  • 対象者
    • 令和6年分の所得税、令和6年度の住民税/所得割納税者
      ※収入が少なく、所得税・住民税が非課税、住民税の均等割だけ納付の場合は、定額減税の対象外となりますが、給付金が支給されます。詳しくは、お住まいの自治体(市区町村)のホームページにて確認してください。
    • 個人事業主の場合、合計所得金額1,805万円以下
    • 国内に居住している方
  • 減税額
    納税者本人同一生計の配偶者・扶養親族(※)1人につき 4万円 を減税
    令和6年分の所得税から3万円
    令和6年度分の住民税から1万円
    ※青色事業専従者、合計所得金額が48万円(給与収入103万円)以下の方を除く。
    ※扶養親族は、0歳以上。

    ★注意点配偶者・扶養親族の判定時期が異なります。
    ・ 所得税 (令和6年分のため)2024年12月31日時点
    ・ 住民税 (前年の所得が対象となるため)2023年12月31日時点

事業所得者の減税時期

所得税

  • 原則: 令和6年分の確定申告(2025年)で減税
  • 予定納税の場合: 予定納税する時に減税(第1期/第2期)
    第1期分の予定納税の通知にて、本人分が減額されています。
    定額減税により、第1期分の納付期限は、7月末から9月末に延期されます。
    扶養家族分の減税を、予定納税額から減額するには、税務署へ予定納税額の減額申請手続(申請期限/第1期分 7月31日/第2期分 11月15日)が必要になります。
    ※予定納税とは、前年の所得や税額が一定以上の場合、確定申告前に一定額を納税する制度です。

住民税(地方税)

  • 納税者本人の所得割の額から、本人と配偶者・扶養家族(国外居住者を除く)の合計額が控除されます。
  • 第1期分(令和6年6月分)から控除しきれない場合は、第2期分(令和6年8月分)以降の税額から、順次控除されます。

定額減税しきれない場合は、給付されます!

年間の納税額から、減税額を控除できないと見込まれる場合は、その差額が別途給付調整給付)されます。給付事務は自治体で行われ、対象となる方へ、お住まいの市区町村から、確認書が送付されます。

調整給付金は、令和5年分の所得に基づき、給付額が計算されます。仮に、令和6年分の収入が減った場合には、令和6年分の所得税の確定後に、 給付金が追加支給されることになっています。

詳細については、お住まいの自治体(市区町村)のホームページにて確認してください。

青色事業専従者の定額減税は?

  • 6月より支払う専従者給与から、事業主が定額減税(月次減税/年調減税)を行うことになります。減税方法については、国税庁発行の「給与等の源泉徴収事務に係る令和6年分所得税の定額減税のしかた」をご覧ください。
    ※給与が少なくて、定額減税の対象とならない場合は、定額減税も給付金も受けられない、というケースが(ルール上)出てきます。

複数の所得がある場合は、どうなる?

「事業所得」の他に「給与」や「年金」を受け取っている場合は、源泉徴収税額からそれぞれ定額減税が行われるため、減税が重複することになります。重複分は、翌年の確定申告で精算することになります。

【関連情報】
書類定額減税について/国税庁
書類定額減税 特設サイト/国税庁
書類給与等の源泉徴収事務に係る令和6年分所得税の定額減税のしかた/国税庁
書類個人住民税の定額減税について/総務省

定額減税に関するご質問へのお願い

個々のケースに関するご質問について、以下のQ&A集をご覧の上、ご不明な点が残る場合は、納税される税務署、お住まいの市区町村の担当窓口へ、お尋ねいただけますようお願いいたします。

【よくあるご質問 Q&A集】
書類給付金・定額減税一体措置に関するよくあるご質問/内閣官房
書類令和6年分 所得税の定額減税Q&A/国税庁
書類個人住民税の定額減税に係るQ&A集/総務省

税額控除に関する改正

住宅ローン控除の拡充

【改 正】 急激な住宅価格の上昇を踏まえ、子育て世帯・若者夫婦世帯への支援策が講じられました。

  • 子育て世帯及び若者夫婦世帯: 借入限度額を上乗せ。
  • 新築住宅の床面積要件: 合計所得金額1,000万円以下の者に限り40㎡に緩和。

※「令和6年度 税制改正/個人所得課税」(財務省)」より引用。

【関連情報/国税庁】
書類No.1210 マイホームの取得等と所得税の税額控除
書類No.1225 住宅借入金等特別控除の対象となる住宅ローン等


その他の改正

電子帳簿保存法【電子取引】 運用ルールの緩和

令和6年1月より、電子取引データの電子保存が義務化されました。施行後、お問い合わせが多い項目について、運用ルールが見直され、保存方法について緩和されました。

※電子帳簿保存法の内、 義務化されたのは「電子取引」のみになります。「電子帳簿保存/スキャナ保存」は、任意となります。

  1. 電子帳簿・決算書の電子保存 ⇒ 任意
  2. 紙の経理書類をスキャナ保存 ⇒ 任意
  3. 電子取引データを電子保存  義務化

電子取引データの保存方法の緩和

【変更点】

  • ECサイトで購入した物品の領収書
    ECサイトの購入履歴(※)で、過去7年間(赤字が出ている場合は10年間)データを確認・ダウンロードできる場合は、ダウンロード保存は不要
    ※購入履歴の保存期間が、税法上の保存期間に満たない場合は、消去される前にダウンロードしておくことが必要になります。
  • インターネットバンキングの取引データ
    オンライン上の通帳等の保存について、随時確認が可能な場合は、通帳データをダウンロードして保存しなくてもよい。

【適 用】 令和6年1月1日からの電子取引より適用。

【関連情報/国税庁】
書類電子帳簿保存法一問一答/電子取引 の追加問答集(令和6年3月) ※ルールの変更点。
書類令和6年1月からの電子取引データの保存方法(令和5年11月)
書類電子帳簿保存法一問一答/電子取引(令和5年6月)
書類電子帳簿保存法の概要


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