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「所得税 基本通達」の一部改正(案)について

2022年8月29日 掲載

国税庁が、「所得税基本通達(法令解釈通達)」の改正案を公表して、制定へ向け、8月31日まで、改正に関する意見(パブリックコメン)の公募を行っています。
※所得税基本通達とは、所得税の解釈(運用ルール)について定めたものです。

改正案の内容は、主たる所得ではない副業収入が、年間300万円以下の場合は、令和4年分の申告から、原則「雑所得」とする、というものです。

会社員で副業を行っている方が、規制対象と考えられますが、コロナ禍で、本業の売上が減少して、副業収入を得ているフリーランスの方にも影響が及ぶ可能性がありますので、改正内容を確認しておいてください。 

年間300万円以下の<副業収入>は、すべて雑所得 !?

改正の背景

副業収入について、これまで明確な基準が無かったため、<所得区分>を、(「雑所得」とせずに)「事業所得」とすることで、赤字分を本業の所得と「損益通算」したり、青色申告の特別控除を受けるなど、節税スキームに使われることが問題視されていました。

副業を認める企業が増える中、そこへ、国税庁がメスを入れた、と言われています。

改正の内容

改正案の内容は、次のような記載になっています。
「所得税基本通達の制定について」(法令解釈通達)の一部改正(案)より抜粋。

つまり、「主たる所得でない収入(副業収入)は、300万円を超えない場合は、雑所得と取り扱う」というものです。

  • 変更点1: その他雑所得の範囲の明確化
    その他雑所得(公的年金等に係る雑所得及び業務に係る雑所得以外の雑所得をいいます。)の範囲に、譲渡所得の基因とならない資産の譲渡から生ずる所得(営利を目的として継続的に行う当該 資産の譲渡から生ずる所得及び山林の譲渡による所得を除きます。)が含まれることを明確化します。
  • 変更点2: 業務に係る雑所得の範囲の明確化(判定基準)
    事業所得と業務に係る雑所得の判定について、その所得を得るための活動が、社会通念上 事業と称するに至る程度で行っているかどうかで判定すること、その所得がその者の主たる所得で なく、かつ、その所得に係る収入金額が 300 万円を超えない場合には、特に反証がない限り、業務に係る雑所得と取り扱うこととします。

適用時期 

改正後、1月へさかのぼって、令和4年分の確定申告から適用されます。
従って、改正案がこのまま通った場合、該当される方は、本年分の申告について、青色申告ができないことになります。 

【関連情報/国税庁】
書類所得税基本通の改正案について
書類所得税基本通達 新旧対照表

フリーランスへの影響は? 

本業 + 副業 を行っている場合 

300万円以下という基準は、副業の規定になるため、本業の収入が、年間300万円以下の場合でも、「事業所得」として青色申告を行えます。

ただし、コロナ禍が3年目となり、本業の収入が激減して、アルバイトなど給与収入を得ている場合、本業を「事業所得」として申告できるかどうかは、税務署の判断になる可能性があります。

改正案に、「特に反証)がない限り…」とありますので、こうしたケースでは、税務署への反証(事業所得が本業であることの証明)が必要になることが考えられます。

また、会社勤めをしながら、独立準備を開始して、売上が300万円未満の場合、「雑所得」の区分となり、青色申告は難しくなるでしょう。

現時点は、改正案のため、各ケース毎に、どのような運用がなされるかを、待つところになります。